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訪問看護ステーションぷくぷく

2022.10.07

もっと医療的ケア児の通園通学をシンプルに(訪問看護 神戸市 小児 重心 ぷくぷく ブログ)

 

「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行されて1年以上が経過しました。
施行前よりも様々な自治体が、医療的ケア児が通園・通学を行えるように取り組んでおられるように感じています。
努力義務と義務でこんなにも違うのかと思いました。

 

しかし、まだまだ整備は不十分でその問題は山積していると言っても間違いではないでしょう。
通園・通学における送迎の問題、付き添いの問題、看護師の配置、先生との連携の問題など重要課題がたくさんあります。

 

ぷくぷくでも近隣市より委託を頂いて、医療的ケア児の方が普通学校へ通学される際に支援をさせて頂いています。
支援開始当初は、ご家庭も自治体も学校も看護師もどのようにすれば良いのか分からないことだらけでした。
しかし、小まめに問題点について協議することで少しづつ解消されていきます。

 

通学されるご本人さんがどういう学校生活を送りたいのかを全員がしっかりと理解したうえで、互いの立場を尊重し助け合うことが一番必要となります。学校だから、自治体だから、看護師だからこうあるべき等といった概念を取っ払って、自分がこう動けば、ご本人さんが学校生活を楽しめるだろうなぁとか、他の職種の人は助かるだろうなぁといった考え方が非常に重要だと思います。

 

通園・通学するにあたり、自治体や園・学校が苦労されているのが予算と看護師職員の確保です。
特に看護師職員はなかなか見つかりません。医療的ケアのレベルにもよるとは思いますが呼吸器ケアが必要な方であればなおさらです。
また、ご家族様と看護師の関係性も非常に重要となってきます。
自分の子供の生命を託す部分も少なからずあるわけですから可能な限り信頼のおける看護師でお願いしたいと思うのは当然だと思います。
そのような看護師が都合よく見つかるかというとまず難しいと思います。

 

なので、一番の理想は小さい頃からお世話になっていて、こどもさんをよく知って理解している訪問看護師さんとかに入ってもらうのが一番不安が少なくすむ方法なのではないかと考えます。
いつもはお家に訪問に行くところを、学校やこども園等に訪問を切り替えるだけ(実際には自治体・学校・先生との連携はめちゃくちゃ必要です)なので比較的シンプルな方法だと思います。

 

しかし、ここに大きな落とし穴があります。
現行の制度では、保健医療による指定訪問看護は居宅もしくは施設にしか行けません。こども園や学校への訪問看護はダメなのです。
こども園や学校への訪問看護をする場合は、自治体やこども園からの委託契約でしかやりようがないというのが現実です。(もしくは自費)
この部分でどのようにしたら良いか分からず、もがいている自治体さんもあるようです。(さらに契約内容や制度が自治体によってまちまちでややこしい)

 

指定訪問看護でこども園・学校へ訪問してもOKですよと言ってくれるだけで、みんなのやる事がシンプルになり今よりももう少しだけ通園・通学のハードルが下がるようになると思います。